【初心者は必読】FXの注文方法の種類まとめ!メリット・デメリットやMT4/MT5でのやり方を解説

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FXでは外国の通貨を売買して利益の獲得を狙いますが、その売買の発注や決済方法には、沢山の種類があります。
一番シンプルなのは、現在の価格で注文する方法です。
しかしそれだけでは、取引の自由度が大きく制限されてしまいます。

例えば、仕事やプライベートの関係でチャートを見れない、注文ができないといった時間帯もあるはずです。
しかし将来の価格を予測して注文を予約したり、エントリー後の決済までまとめて設定しておいたりする方法ならば、機会の損失を避けられます。
つまり、様々な方法を使いこなせるようになると、それだけ効率が良くストレスもない取引が可能になるのです。

そこでこの記事では、初心者の方でも知っておきたい代表的なFXの注文方法について、詳しくご紹介いたします。
それぞれのメリット・デメリットや、取引プラットフォームであるMT4/MT5での操作方法もまとめて説明するので、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 成行注文
  2. 成行注文とは?
  3. 成行注文の例
  4. 成行注文のメリット・デメリット
  5. MT4/MT5での成行注文のやり方
  6. 指値注文(リミット注文)
  7. 指値注文とは?
  8. 指値注文の例
  9. 指値注文のメリット・デメリット
  10. MT4/MT5で指値注文のやり方

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成行注文

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成行注文とは、「クイックトレード」とも言い、その名の通り、今すぐ注文をかけて売買したい時に使う注文方法です。
FXにおける代表的な注文方法であり、初心者の人にもなじみのあるやり方でしょう。

成行注文とは?

成り行き注文とは、難しいことは考えず、「今すぐ買いたい・売りたい」という時に使われる方法です。
価格は現在の為替レートが元になります。

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しかし実際に取引がされて約定に至るのは、手元で行った発注がFX業者のサーバーに届いてからです。
その間に僅かな時間差が生まれるため、相場状況によっては発注時の表示価格と実際の約定価格の間に差が生まれることも珍しくありません。
これを「スリッページ」と言い、FX業者によってスリッページをしやすい、しにくいという傾向もあります。

成行注文の例

チャートで確認できる価格がベースですので、例えば1ドル130円で買い注文を出せば、そのまま130円で約定するのが理想です。
ただし相場に動きがあるとスリッページが生じることもあるので、実際の約定は130円10銭になるかもしれません。

また成行注文は決済の時にも使えますが、同じく価格の数値設定はないため、約定価格は相場の状態にある程度左右されます。
上記で立てたポジションを売る時、目の前のチャートが132円を示しているなら、概ねその価格で利確できるでしょう。

成行注文のメリット・デメリット

次に、成行注文の良い点や注意点を見ていきましょう。

■成行注文のメリット①やり方がシンプルで簡単に発注できる

目の前のタイミングと価格で売買ができるため、直感的で分かりやすいのが特徴です。
自分で価格を指定する必要もないので、間違った発注をしてしまう可能性も少ないでしょう。

やるべきことは、これから価格が上がっていくか下がっていくか、二択で選んで数量を決めるだけ。
それ以外のことを、考える時にあれこれ悩む必要もありません。
入力項目が少ないだけでも、初心者にとっては嬉しいでしょう。

注文にかかる手間や悩みが多いと、準備している間に相場がどんどん動いていってしまうこともあります。
成行注文は、その時点でベストと言える価格で約定されるため、チャンスを逃さずエントリーや決済が行えるのです。
今この目の前の相場の勢いに乗りたい時や、一瞬の値動きを捉えて約定させたい場合は、余計な手間のない成行注文が最適でしょう。

■成行注文のメリット②その場ですぐに約定される

発注までの時間が短いだけでなく、約定が早いのも成行注文のメリットです。

トレンドが生じている場合、早くエントリーが約定されるほど含み益が得られます。
決済する場合も、相場が不利な方向に動いた時、決済が早いほど含み益を減らさずに済むでしょう。
相場が反転して、含み損がみるみる増えていくような状況でも、すぐに決済できれば損失を抑えられます。

いずれも、約定できないままだと、相場が動いていくのを黙って見ているしかありません。
今すぐ約定させることを考えたら、成行注文しかないでしょう。

■成行注文のメリット③状況に対して柔軟に対応できる

条件を設定して自動で約定させる方法は便利ですが、何か突発的な値動きがあった場合に対応することができません。
しかしその場の判断で行える成行注文なら、どのような状況になっても安心です。

例えばトレンドの終端で大きなヒゲが出てトレンド転換が想定できる場合など、一瞬の値動きを使って優位性のあるエントリーや利確ができることもあります

■成行注文のメリット④分割決済ができる

ポジションを立てる時のリスクを減らす方法として分割エントリーがあるように、利益を少しでも確実に取るためには分割決済も有効な方法です。
しかしこの分割決済は、一般的には自動注文ではサポートされていません。
特に利確については、できるだけ大きく伸ばしていくのが重要なので、数回に分けて決済していく成行注文がおすすめです。

■成行注文のデメリット①取引機会が限られる

成行注文はその場で注文する方法なため、条件を設定して予約することはできません。
常にチャートに張り付いている必要があるため、仕事や外出中、家事をしている時間や寝ている間などは取引機会を逃してしまいます。

本当は狙ってみたい具体的な価格があるのに、そうした条件を指定できず、不利な条件で取引しなければならない場面もあるでしょう。
約定のタイミングや価格を指定できない点は、成行注文のデメリットです。
また、そもそも取引時間がほとんど確保できない生活をしている人にとっては、非常に扱いにくい方法になってしまいます。

■成行注文のデメリット②スリッページが起きる可能性がある

スリッページは、発注から約定までのわずかな時間で起きた相場変動による価格差です。
成行注文には具体的な価格レートの数値が含まれないため、実際にいくらで約定するかが分かりません。
そのため約定してから「そんな価格では利益にならない」という結果になる可能性もあります。

特に大きく乱れている相場では、非常に不利な価格で約定してしまうこともあるので、注意が必要です。

対応策としては、スリッページには許容量が設定できるので、これを小さめに設定しておくことが考えられます。
スリッページが設定数値を超えた起きた場合は約定を回避してくれますが、小さくし過ぎると今度は約定しにくくなって、逆にチャンスを逃してしまうのが問題です。
5pips以上を目安にしておくと良いでしょう。

■成行注文のデメリット③感情的に取引してしまう

ある意味、これが最大の問題点とも言えるのが、客観的な根拠を無視して、その場の感情のままに取引してしまうことです。

安定して利益を残していくためには、一定のルールに基づき、冷静な判断で取引していく必要があります。
しかし、その場の値動きを見ながらリアルタイムで発注を行う成行注文では、それができなくなってしまう可能性があるのです。

注文から約定まで時間差のある予約注文なら、設定をした後に冷静になって取り消すことも可能ですが、成行注文ではそうはいきません。
発注ボタンを押した瞬間に後悔しても、もう遅いのです。

MT4/MT5での成行注文のやり方

では実際にMT4/MT5で成行注文を行うための方法を見ていきましょう。
成行注文には、エントリーする場面と、決済する場面の2つがあります。

■新規エントリー

最初に行うのは、チャートに新規注文画面(オーダーの発注画面)を呼び出すことです。

新規発注画面は、3つの方法で呼び出せます。
どの方法でも出てくる画面は同じなので、自分が使いやすいもので構いません。

  • チャート上で右クリック、表示されたメニューから「注文発注」>「新規注文」を選択
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  • メニューバーで「新規注文」アイコンを選択
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  • 「F9」ボタンを押す

これにより表示された「オーダーの発注」ウインドウで、下記の項目を設定しましょう。

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  • 通貨ペア:
    取引する通貨ペアを選択。チャートから呼び出した場合、チャートの通貨ペアがそのまま選択状態になっている。
  • 数量:
    ダブルクリックして、取引するロット数を入力
  • 決済逆指値(S/L):
    ここでは未使用
  • 決済指値(T/P):
    ここでは未使用
  • コメント:
    必要があればメモを入力
  • 注文種別:
    「成行注文」を選択
  • 売りレート:
    売る場合、「現在の売り注文価格」を選択
  • 成行売り:
    売る場合、クリックして注文実行
  • 買いレート:
    買う場合、「現在の買い注文価格」を選択
  • 成行買い:
    買う場合、クリックして注文実行

■ポジションの決済(利確・損切り)

エントリーして立てたポジションを「成行注文」で決済する場合のやり方です。

最初に決済するポジションをターミナルウィンドウから選択します。
ターミナルウィンドウが表示されていない場合、メニューバーのアイコンをクリック。

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もしくは、メニューの「表示」から「ターミナル」を選択します。

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ターミナルウィンドウが表示されたら、下記のいずれかの方法で決済用の画面を表示させてください。

  • ターミナルウィンドウの「取引」タブで決済するポジションを右クリック、表示されたメニューから「決済注文」を選択
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  • ターミナルウィンドウの「取引」タブで決済するポジション上の「×」ボタンをクリック
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  • チャート上で、決済するポジションの約定価格ライン上で右クリック、表示されたメニューから「閉じる」を選択
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これにより表示された「オーダーの発注」ウインドウで、下記の項目を設定しましょう。

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  • 数量:
    ダブルクリックして、決済するロット数を入力
  • 決済逆指値(S/L):
    ここでは未使用
  • 決済指値(T/P):
    ここでは未使用
  • コメント:
    必要があればメモを入力
  • 注文種別:
    「成行注文」を選択
  • 成行売り:
    売る場合、クリックして注文実行
  • 成行買い:
    買う場合、クリックして注文実行

指値注文(リミット注文)

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指値注文は成行注文とは異なり、あらかじめ設定した価格に到達したら売買注文が執行されるという、予約型の注文です。
英語ではリミット注文(Limit Order)と呼ばれます。

指値注文とは?

指値注文は、目の前の価格を元にするのではないため、価格がこの後どうなるかという予測が必要です。
そのためにはテクニカル分析などの勉強も必要になります。
そして重要なポイントとなるのが、「今よりも有利になる価格を指定する」ということです。

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例えば買いで入る場合、今より安い価格になった方が有利な取引ができます。
一方、売りで入る場合は、今より高い価格になった方が良い条件でエントリーできるでしょう。

また指値注文は決済の場面でも使えます。
エントリーと同様、「今よりも有利になる価格」を指定しましょう。

買いポジションを持っている場合、今よりさらに価格が上がると獲得利益が増えます。
売りポジションなら、今より価格が下がった方が儲かるでしょう。

指値注文の例

具体的には、下記のような取引です。
現在の価格が1ドル=130円で下降相場の時、129円まで下がったらそこが底値になると予測したとしましょう。
その場合、129円という価格を指定して、指値注文を発注しておきます。
実際に価格が下がって129円に到達すると、その時点で注文が自動で出され、129円で約定します。

逆に決済する場合、129円で買ったドルを131円で売りたい時は、131円で指値注文をしておきましょう。
レートがその価格に達した時点で約定します。

なお、相場が期待と逆に動いた場合、予約した条件が満たされないので当然ですが注文は約定されません。
そうした場合は予約を解消し、あらためて相場分析を行いましょう。

指値注文のメリット・デメリット

指値注文は、成行注文と比べて性格が異なる面が多いので、確認しておきましょう。

■指値注文のメリット①チャートに貼り付く必要がない

事前に予約ができるため、成行注文のようにチャートの前にいる必要がありません。
寝ている間や仕事中でも売買が決まるので、時間的な縛りがなくなり、精神的・肉体的に楽になるでしょう。

また予約式ですから、時間が確保しにくい生活スタイルの人でも、取引しやすくなります。
自分が希望するレートに価格が届くのを、他のことをしながら待っていれば良いのです。

そもそもFX市場は24時間開いてますから、全ての時間に立ち会うことは誰にもできません。
FXでの収益を高めるためには、いずれにしても予約注文を使いこなす必要があるのです。

指値注文は、エントリーだけではなく、「利益確定」という目的でも使えます。

チャートから目を離している間に、価格が良い方向に動いても、成行注文では決済ができません。
次にチャートを見た時、すでに元の価格に戻っていたらガッカリでしょう。
しかし指値注文をしておけば、自分が見ていない間に利確が刺さり、その分の利益が自動で増えているというわけです。

■指値注文のメリット②有利な条件で約定できる

成行注文では、限られた時間の中で、最善のタイミングを探すしかありません。
その後さらに大きく相場が動き、「あそこで焦って発注する必要はなかった」という結果になってしまうこともあるでしょう。
それに比べ指値注文は現在の価格がいくらであろうと、それより良い条件での取引を予約するので、成行注文よりも優位性が高くなります。

また相場の変動によっては、ほんの一瞬だけ目指す価格に届いて、すぐに戻るケースもよくあります。
しかし注文は自動で行われるので、一瞬のチャンスでも逃すことがありません。
手動では間に合わなくても、自動の予約注文なら約定させられる可能性が高まります。
チャンスを逃さず注文を実行させられるのは、大きなメリットと言えるでしょう。

実際に約定しないと売買額がいくらになるか分かりにくい成行注文に比べ、指値注文の方が価格の見通しが明快です。
指定した金額で発注を掛けられるため、より安心な取引ができるでしょう。

■指値注文のメリット③感情的な取引が少なくなる

成行注文のデメリットとして、「感情的に取引してしまう」という点を指摘しました。
しかし予約注文であれば、目の前の相場で熱くなって発注したが、取り消せないといった事態は避けられます。

テクニカル分析などで冷静に弾き出した価格が目標値になるからです。
仮に熱くなって発注しても、その注文が約定されない限り、いつでも予約を取り消せます。

他にも、無駄な注文が少なくなったり、資金管理の計画性が高まったりするのもメリットです。

■指値注文のデメリット①取引チャンスを逃すこともある

ここからは、デメリット面も見ていきましょう。
まず挙げられるのは、約定しないことでチャンスを逃してしまうことです。

その場で約定が決まる成行注文とは異なり、指値注文では、価格が予測に届かないと注文が実行されません。
すると結果として、取引チャンスを逃した形になってしまうのです。

つまり、うまく行けば「チャンスを逃さず注文が実行される」のですが、裏目に出ると「機会を逃してしまった」という結果になります。
特に欲張ってしまって、現在の価格から大きく離れた価格を指定してしまうと、このような結果になりがちです。

これを避けるためには、あまり無謀な価格では予約をしないことが挙げられるでしょう。
また、本来の目標価格の少し手前から何回かに分け、段階的に注文予約をしていくことも効果的です。

■指値注文のデメリット②想定外の注文が発動することがある

予約条件が満たされないと、予約注文は約定しません。
そこで注文をそのまま残しておくと、時間が経って忘れた頃に、予期しない約定が成立してしまうことがあります。

しかし予約をした時と相場環境は変わっていますから、この時点での約定は必ずしもベストであるとは言えません。
特に新規エントリーの場合、予期せぬポジションを多く抱えてしまうと、その後の取引に大きな悪影響を及ぼしてしまうこともあるでしょう

対策としては、予約状況を覚えておくこと、約定しなかった注文はこまめに削除する、等が考えられます。
また、注文時に「当日中・週末・無期限」などの有効期間を指定できるので、任意の期間を選択しておきましょう。

■指値注文のデメリット③分割決済ができない

成行注文の説明で分割決済ができることをメリットとして挙げましたが、自動注文となる指値注文では分割決済ができません。
ポジションサイズが大きい場合など、1回で全てを決済してしまうのは一定のリスクもあります。
これは他の自動注文全般に言えることですが、エントリーの時点で最初からいくつかに分けてポジションを立てておくと、決済の時に柔軟な対応が可能です。

■指値注文のデメリット④利益を伸ばし切れないことがある

決済に指値注文を用いる場合、価格の伸びに関わらず、そこで決済されてしまいます。
その後も引き続きトレンドが続いた場合、結果的に利益を伸ばし切れなかったことになるわけです。

そのためチャートの状況を確認しながら、必要があれば指値の価格をより利益が乗る方に変更したり、注文を解除して様子を見た方が良い場合も考えられます。

■指値注文のデメリット⑤予約できない価格帯もある

エントリー・決済いずれの場合でも、現在の価格と近すぎると予約設定ができない場合があります。
ほんの少しでも有利な価格で約定させたい時、この制限は少し厄介です。

特に含み損を抱えた中での決済については「あともう少し価格が動いてくれれば、プラスマイナスゼロで終わるのに」という状況もあるでしょう。
そうこうしている間に、価格が逆方向に動いて含み損が増えてしまうかもしれません。
後になれば「成行注文で損切りしておいた方が良かった」というケースもあるでしょう。

なお、この制限にかかる範囲はFX業者ごとに設定されており、通貨ペアや相場環境でも変わることがあります。

MT4/MT5で指値注文のやり方

MT4/MT5での指値注文は、先ほどと同じ画面を使います。
まず、新規注文の方から見ていきましょう。

■新規エントリー

成行注文の時と同じように新規発注画面を呼び出し、下記の設定を済ませます。

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  • 通貨ペア:
    取引する通貨ペアを選択。
  • 数量:
    ダブルクリックして、取引するロット数を入力
  • 決済逆指値(S/L):
    ここでは未使用
  • 決済指値(T/P):
    ここでは未使用
  • コメント:
    必要があればメモを入力
  • 注文種別:
    「指値注文(Pending Order)」を選択

ポイントは、注文種別を「指値注文(Pending Order)」にすることです。
するとその下に、新しい設定スペース「指値または逆指値注文(新規注文)」が表示されます。

ここでの設定は下記のようになります。

  • 注文種別:
    買う場合「Buy Limit(買い指値)」を選択、売る場合「Sell Limit(売り指値)」を選択
  • 価格:
    売買したい価格を指定
  • 有効期限:
    予約注文を解除するタイミングを指定。チェックボックスをクリックしない場合は解除されない

最後に「発注」をクリックします。

■ポジションの決済(利確・損切り)

今の価格より有利な条件で予約するため、基本的には利確目的です。
しかし大きな含み損を抱えている場合、少しでも痛手を小さくするための損切り用途で使う場合もあります。

対象のポジション自体は、どのやり方で立てられたものでも構いません。
先ほどの成行注文で立てたポジションでも、後から指値で決済の予約をすることができます。

最初に決済するポジションを選択し、決済画面を表示させます。
方法は先ほどの成行注文と同じです。

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ここで「注文種別」を、「注文の変更または取り消し」にしてください。
すると上部の入力欄はグレーアウトし、その下に新しい設定スペース「注文の変更」が表示されます。

ここで使うのは右側に配置されている「決済指値(T/P)」です。
「現在値との差」を指定し、青の「下段にコピー」を押すと、その数値が自動で入ります。
ただ利確ポイントなどの設定が明確な場合は、直接「決済指値(T/P)」に入力してしまった方が早いでしょう。

最後に、末尾が「T/Pを◯◯に設定する」となっている横長の青いボタンを押すと、決済予約が完了します。

逆指値注文(ストップ注文)

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逆指値注文は指値注文の逆で、「今より不利になる価格を指定する」という、予約型の注文です。
英語ではストップ注文(Stop Order)と呼ばれます。

逆指値注文とは?

例えば買いで入る場合、どうせ買うなら、安い方がいいでしょう。
今より高い価格になるほど、エントリーとしての条件が悪化します。
そこで通常は指値で安くなったら買うわけです。

しかし今より価格が安くならないまま、上昇傾向に移ってしまうことも考えられます。
そうした場面では「これ以上価格が上がったら、そのまま上昇トレンドに乗って、一気に上がってしまうだろう」というラインも想定できるでしょう。
そのままでは、せっかくの買う機会を逃してしまいます。
そこで、想定されたラインを超えたらその時点で買いを入れる、という用途で使われるのが逆指値注文です。

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一方、売りで入る場合は価格が高いほどエントリーの優位性があり、価格が下がると条件が悪くなります。
そこで「これ以上下がったら、売る機会はしばらくやって来ないだろう」と思った価格をターゲットにして、売りのストップ注文を入れておくわけです。

また、逆指値注文は指値注文と同様、決済の場面でも使えます。
この時も、ポジションを精算した時に「今より不利になる価格」を指定しましょう。

買いポジションなら、今より低い価格が対象です。
売りポジションの場合は、今より高い価格を指定することになります。

逆指値注文の実例

新規エントリーの場合も見てみましょう。
例えば、1ドル=130円でこれから値段が下がると予測したとします。
その時、指値であれば今よりエントリー条件の良い131円などを指定するでしょう。
しかし逆指値では、条件が今より悪くなる129円で指定します。

その後、131円に上がることなく、そのまま予想通り下降に向かった場合はどうなるでしょうか?
131円で指定した指値は刺さらないので、エントリーは不発です。
しかし価格が下降していく途中で、129円の逆指値が刺さり、売りポジションが立てられます。

一方、保有中のポジションの決済にも利用が可能です。
例えば1ドル=130円で上昇相場の時に、買いでエントリーをしている場合を見てみましょう。
そのまま価格が上がって行けばよいのですが、方向性が変わって下がった時に備え、損切りを設定しておく必要があります。
そこで129円までは我慢してポジションを維持するが、それより下がったら損切りし、仕切り直すことにした場合です。

この時、129円で売りの指値注文を予約しておきます。
つまり価格がそこまで下がったら、「損切り」するということです。

このように逆指値は、エントリーする時は「チャンスの最終便に乗るため、決済では「確実に損切りするため」に活用するものと覚えましょう。

逆指値注文のメリット・デメリット

逆指値注文の特性は概ね指値注文と似通っていますが、一部は逆になっている点もありますので、確認しておきましょう。

なお「チャートに貼り付く必要がない」「感情的な取引が少なくなる」という2つのメリットは、先ほどの指値注文以外の予約注文全般に共通するので、以下では省略させていただきます。

■逆指値注文のメリット①取引チャンスを逃さない

相場が期待通りの動きを見せても、指値注文の場合は価格が今よりも好条件とならず、予約が刺さらないケースがあります。
しかし逆指値の場合、今より条件の悪い価格で設定するので、値動きの中でかなり確実にエントリーさせることが可能です。

先ほどあげた例でも、131円で指定した指値は不発でしたが、129円の逆指値は刺さっていました。
価格の動きを読み切れた場合、逆指値注文は指値注文より取引チャンスを逃さずに済むのがメリットです。

実践上では、逆指値をレジスタンスラインの少し外に置いておくのもおすすめできます。
エントリーであれば、そのラインをブレイクアウトした初動を捉えられるので大きな優位点となるでしょう。
手持ちのポジションであれば、信頼度の高い損切りポイントとなります。

■逆指値注文のメリット②損切りには必携中の必携

実用的な部分で最も使うべき用途は、持っているポジションの損切り設定です。
これ以上不利な価格になったら決済するという特性は、まさに損切りに使ってこそ威力を発揮します。

特に成行注文でエントリーした場合、ポジションを立てることが優先され、損切りのことまで十分に考えていないケースもあるでしょう。
しかし約定したら、その直後に損切りラインを検討し、「オーダーの発注」ウインドウで逆指値を設定するようにしてください。

逆指値を有効に使うことで、甚大な含み損が出るのを未然に防ぎ、ポジションが塩漬けになることも避けられます。

■逆指値注文のデメリット①約定価格の優位性は低い

今より不利な条件で予約するという特性上、約定される価格は、成行注文や指値注文には敵いません。
三者を比べれば、指値注文>成行注文>逆指値注文の順番で、条件が悪くなっていきます。

これを改善するとしたら、分割エントリーや分割決済でしょう。
資金を分けて、まず成行注文である程度のエントリーや決済を済ませておき、残りの資金を指値や逆指値で予約しておくのです。
そうすれば、どちらに転んでも一定の利益を得やすくなります。

■逆指値注文のデメリット②約定が大きな損失に繋がることも

予約注文全般に言えますが、予約した数値に価格が到達しなければ約定されないため、常に機会損失の可能性が伴います。
ただ逆指値は今より悪い数値を指定するので、仮に刺さらなくても直接的に大きな被害が出ることはないでしょう。

問題は、迂闊に刺さってしまった場合です。
先ほどの例を出すと、1ドル=130円で下落を予想し、129円で売りの逆指値がささりました。
このまま128円方向に落ちていけばエントリーは成功です。
しかし一瞬129円に下がっただけで下落が終わり、そこから反転して130円を超えてしまったらどうでしょうか?

成行注文なら予想時点の130円で済んだのに、129円での売りポジションですから、それ以上の含み損を抱えてしまいます。
わざわざ条件の悪い瞬間を選んでエントリーしてしまったわけです。

MT4/MT5で逆指値注文のやり方

MT4/MT5での逆指値注文も、先ほどと同じ画面を使います。
まず、新規注文の方から見ていきましょう。

■新規エントリー

指値注文の時と同じように新規発注画面を呼び出します(上部の説明は同じなので省略)。

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ここでも注文種別を「指値注文(Pending Order)」としてください。
「逆指値注文」という選択肢がないので戸惑う人がいるかもしれませんが、MT4/MT5では同じ種別の注文方法として処理されています。

すると下部に「指値または逆指値注文(新規注文)」が表示されるので、下記のように設定してください。

  • 注文種別:
    買う場合「Buy Stop(買いの逆指値)」を選択、売る場合「Sell Stop(売りの逆指値)」を選択
  • 価格:
    売買したい価格を指定
  • 有効期限:
    予約注文を解除するタイミングを指定。チェックボックスをクリックしない場合は解除されない

最後に「発注」をクリックします。

■ポジションの決済(利確・損切り)

今の価格より不利な条件で予約するため、基本的には損切り目的です。
ただし大きな含み益を獲得している場合、最低限の利益は残すため、安い方の利確用途で使う場合もあります。

指値同様、対象のポジション自体は、どのやり方で立てられたものでも構いません。
最初に決済するポジションを選択、「オーダーの発注」ウインドウの注文種別を「注文の変更または取り消し」にして、「注文の変更」を表示させます。

ここで使うのは、左側に配置されている「決済逆指値(S/L)」です。

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「現在値との差」を指定し、赤の「下段にコピー」を押すと、その数値が自動で入ります。
利確ポイントなどの設定が明確な場合は、直接「決済逆指値(S/L)」に入力してしまった方が早いでしょう。

最後に、末尾が「T/Pを◯◯に設定する」となっている横長の青いボタンを押すと、決済予約が完了します。


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OCO(オーシーオー)注文

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ここまでの注文方法は、1つのアクションのみを設定するものでしたが、ここから先は複数の設定を行える予約注文をご紹介します。
まず最初に説明するのが、OCO注文です。

OCO注文とは?

OCO注文は「One Cancels the Other」の略で、まず異なる2つの注文を同時に設定しておきます。
そして、そのいずれか一方が約定したら、もう片方はその場で取り消されるという仕組みです。

具体的には、価格が今より上昇した場合と下落した場合の双方を想定し、それぞれに対応する注文を設定しておきます。
するとこれから先、価格が上がっても下がってもどちらかが約定するので、チャンスを逃さないというわけです。

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OCO注文は、原理としてはエントリーと決済の双方で使えます。
しかし機能として実装しているかどうかは、取引プラットフォームによって対応が分かれます。

例えばMT4/MT5の場合、OCO注文は決済のみでの対応です。
これは新規のエントリーであれば、異なる2つの注文を同時にしておけば同じ結果となることから、機能としては用意がないと思われます。
また後述のように、エントリーで使うのは必ずしも望ましくないという考え方によるのかもしれません。
いずれにしても、片方が約定したら、もう片方は手動で削除することになります。

OCO注文の実例

百聞は一見に如かずというように、まずは実際の様子を見てみましょう。

まず新規注文についてですが、現在の価格が1ドル130円とした時、下記のようなパターンが考えられます。
129円に下落したら押し目買いのチャンスと考え買い注文を、131円に上昇したら戻り売りのチャンスと考え売り注文を、予約しておくというものです。

ただし逆のパターンも考えられるでしょう。
129円になったら下落トレンド開始と見て売り注文を、131円になったら上昇トレンド開始と見て買い注文を、予約しておくという方法です。

さらに、先ほどのように「これから下落相場に向かう」という確信があればどうでしょうか?
129円になったらそのまま落ちると見て売り注文を、131円になっても絶好の売り場だと判断してやはり売り注文を、仕掛ける方法もあるということです。

いずれにしても指値注文と逆指値注文を同時に設定できる方法ですが、エントリーの場合は環境分析やトレードスタイルによって、使い方が一定しないという面もあります。
また、敢えて同時にエントリーする必然性もやや弱いでしょう。

それに比べ、決済では非常に大きな優位性があります。
なぜなら、立てたポジションについては、常に利確と損切りという2つの決済を想定しておく必要があるからです。

例えば1ドル130円で立てた買いポジションであれば、131円まで上がったら利確、129円に下がったら損切りという計画が考えられるでしょう。
まさにそのためにこそ、OCO注文が役立ちます。
131円で利確するための指値の売り注文、129円で損切りするための逆指値の売り注文、ということです。
どちらかが約定すれば、もう片方は用済みですから、自動で削除された方が便利です。

OCO注文のメリット・デメリット

OCO注文の良い点や注意点をご紹介します。

■OCO注文のメリット①取引の手間が省ける

単発の予約注文では、似たような設定を2回行う必要がありますが、OCO注文では1回の操作で予約が完了します。
その分、手間が省けるだけではなく、予約の漏れを防ぐことで想定外の損失を出さずに済むでしょう。
特にポジションが増えてくると、それぞれの管理や決済の実行が負荷となってきます。
1つの画面で利確と損切りの双方がコントロールできるOCO注文は、使わずにはいられない機能です。

■OCO注文のメリット②損失を最小限に抑えられる

上記のコントロールの話にも繋がりますが、FXでは個々の取引で想定される最大利益と最大損失のバランスが重要です。
これをリスクリワードと言います。
例えば1ドル130円で買ったドルに、131円と129円の売りのOCO注文を掛けた場合、勝っても負けても同額ですからリスクリワードは1:1です。
このバランスを確認・管理するのに、一画面で完結できるOCO注文は最適と言えます。

またOCO注文がなかったら、利確の予約はするが損切りはしたくないから予約しない、という人が出てくるかもしれません。
しかし同じ画面で一気に予約ができるOCO注文なら、そうした行動を抑止しやすくなりますし、MT4/MT5の画面であれば左側でまず損切りから設定するようになっています。
そのため損切りを掛けずに大きく負けてしまう危険を下げる効果も得られるでしょう。

■OCO注文のデメリット①初心者だと難しく感じることも

1つの設定で1つの予約、とならないのがOCO注文の特徴ですが、初心者にとっては難しいと感じる可能性もあります。
中身はシンプルに2つの予約注文をするだけなのですが、エントリー価格と現在価格、そして利確と損切りという4つの要素を踏まえなくてはならないからです。

しかしFXを続けていくには、遅かれ早かれ、それらを自在に使って考えていく能力が求められます。
むしろOCO注文を使うことで、そうした力を伸ばしていくと良いでしょう。

■OCO注文のデメリット②設定までの時間差で損失が拡大することも

保有中のポジションの決済用にOCO注文を設定する時、時間差が出るとその間に相場が動く可能性があるので、危険です。

例えば寝ている間に指値や逆指値の予約が約定した場合、起きてからOCO注文を設定しようとしたら相場が反転しており、大きな損失が出ているかもしれません。
成行注文でエントリーしても、その場で少し時間を置いている間に相場が急変し、OCO注文が間に合わないことも考えられます。

特に秒単位で取引を行うスキャルピングでは、エントリーの約定からOCOを設定するまでの時間差は危険を伴うでしょう。

MT4/MT5でOCO注文のやり方

MT4/MT5では、新規のエントリーはOCO注文に対応していないので、決済のみの説明です。

保有しているポジションを選択し、「オーダーの発注」ウインドウの注文種別を「注文の変更または取り消し」にして、「注文の変更」を表示させます。

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そして「決済逆指値(S/L)」と「決済指値(T/P)」の双方に指定の価格を入力してください。
指値や逆指値ではどちらか片方しか使いませんでしたが、OCO注文では同時に使うことで一気に設定を行います。

決済逆指値(S/L)は損切り、或いは不利な条件での利確です。
買いポジションの場合は今より安い価格、売りポジションの場合は高い金額を設定します。

決済指値(T/P)はベストな形での利確、あるいは有利な条件での損切りです。
買いポジションの場合は今より高い価格、売りポジションの場合は低い金額を設定します。

最後に青い横長のボタンを押せば、予約の完了です。

IFD(イフダン)注文

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IFD注文のIFDは「IF Done」の略で、直訳すると「もし価格がこうなったら、この動きをする」となりますが、実際は2つの注文を組み合わせてエントリーから決済までを1つの予約で済ませる方法です。

IFD注文とは?

先ほどのOCO注文は、エントリーや決済と言った特定の目的に、指値と逆指値の2つを用意して値動きに対応させるものでした。
言わば「横の展開」となる注文方法となります。

それに対しIFD注文は、エントリー>決済という「縦の連携」と言える注文方法となり、新規の注文と決済の注文を同時に予約する方法です。

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構造中、1つ目の新規注文が通ると、2つ目の決済注文がスタンバイに入ります。
新規注文が刺さらなければ、そのまま特に何かが起きるということはありません。

IFD注文の実例

IFD注文では、「価格が◯円になったらエントリーの注文を出し、その後◯円になったら決済の注文を出す」という2つの予約をします。
そのため組み合わせとして考えられるのは、下記の8通りです。

  • 価格が安くなったら買いエントリー>高くなったら売り決済
  • 価格が安くなったら買いエントリー>安くなったら売り決済
  • 価格が安くなったら売りエントリー>高くなったら買い決済
  • 価格が安くなったら売りエントリー>安くなったら買い決済
  • 価格が高くなったら買いエントリー>高くなったら売り決済
  • 価格が高くなったら買いエントリー>安くなったら売り決済
  • 価格が高くなったら売りエントリー>高くなったら買い決済
  • 価格が高くなったら売りエントリー>安くなったら買い決済

8パターン全てを紹介するのは大変なので、代表的な使い方の1つである「安く買って高く売る」パターンを見てみましょう。

例えば1ドル130円で上昇傾向の時、129円に下がったら押し目買いのチャンスと見て、まず指値注文でエントリーを狙います。
そしてそこから価格が上がったら、131円に到達した所で利確をすべく、売りの指値注文も設定しておくのです。

この方法であれば、一回セットしておけば後は何もすることがありません。
夜寝て、朝起きたら、エントリーから決済まで全て自動で終わっているかもしれないということです。

IFD注文のメリット・デメリット

IFD注文の良い点や注意点は、下記のようなものとなります。

■IFD注文のメリット①取引の手間が少ない

これまでの注文方法では、決済させるまでに、全て複数回の設定が必要でした。
しかしIFD注文は最初に設定を1回すれば、あとは全自動で一連の取引を完了させてくれます。
取引の手間が少なくて良いというのは、優れたメリットでしょう。

■IFD注文のメリット②時間差によるリスクがない

OCO注文のデメリットとして指摘した、エントリーからOCOの設定までに生じた時間差で損失が拡大することもある、という点がIFD注文では解決されます。
エントリーと決済の注文を同時にするため、OCOではあった時間差が生まれないからです。

■IFD注文のデメリット①決済については1パターンしか設定できない

例えば、「価格が安くなったら買いエントリー>安くなったら売り決済」というパターンがあります。
これは上昇トレンドを想定しているが、もし価格がエントリー時を大きく割り込んでしまったら、そこで損切りしようという計画です。

しかし思惑通り上昇した場合、どこで利確するかは未定のままです。
上がる分にはそのまま大きく伸ばしていくという計画でもあるのですが、そこが手動になってしまうので「決済まで1回の予約で完結」とはなりません。

同じく上昇トレンドに乗って「安く買って高く売る」予約の場合、損切りは手動になってしまうため、的確なタイミングを逃して損失を広げてしまう危険もあります。

■IFD注文のデメリット②

大きなデメリットではありませんが、IFD注文ではカバーできない値動きもあります。
例えば1ドル130円で買い注文し、そこから大きく値上がりしたものの、反転して落ちてきた所を約定させることはできません。
あくまで、ポジションを立てた価格を基準にして、そこから一定の値幅を付けた場合に予約が執行されるという仕組みになります。

MT4/MT5でIFD注文のやり方

IFD注文は新規のエントリーと、その後の決済予約を同時に行いますので、まとめて説明いたします。

指値注文などと同じように、新規発注画面を呼び出します(上部の説明は同じなので省略)。
ここで注文種別を「指値注文(Pending Order)」としてください。

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すると「指値または逆指値注文(新規注文)」が表示されるので、下記のように設定してください。

  • 注文種別:
    買う場合「Buy Limit(買い指値)」「Buy Stop(買いの逆指値)」、売る場合「Sell Limit(売り指値)」「Sell Stop(売りの逆指値)」を選択
  • 価格:
    売買したい価格を指定
  • 有効期限:
    予約注文を解除するタイミングを指定。チェックボックスをクリックしない場合は解除されない

以上が、新規エントリー用の予約です。
では、決済はどこで設定するのでしょうか?

それは、上部の「決済逆指値(S/L)」もしくは「決済指値(T/P)」です。
ここはOCO注文でも使われていた設定項目です。

エントリー価格よりも有利な価格で決済させる場合、つまり利確を狙う時は「決済指値(T/P)」を使います。
不利な価格で決済させる場合、つまり損切りを重視する時は「決済逆指値(S/L)」を使ってください。

IFO(アイエフオー)注文

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IFO注文は、先ほど説明した2つの注文方法、OCO注文とIFD注文を組み合わせた方法です。
IFd+Ocoの略ですが、他に「IFDO(IFD+Oco)」と呼ばれることもあります。

IFO注文とは?

OCO注文とIFD注文はともに弱点がありましたが、IFO注文はそれらを解決する「全部入り」とも言える構成です。
予約内容は、「新規注文+利確注文+損切り注文」という、3つの設定の組み合わせとなっています。

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つまり最初の注文が約定してポジションが立ったら、後は価格が上がっても下がっても、必ずどちらかで決済が決まるということです。
ここに来て、ついに100%の自動化が完成したと言えるでしょう。

IFO注文の例

ではさっそく、IFO注文の実例を見てみましょう。

1ドル130円で上昇傾向にある時、129円に下がったら押し目買いと見て、買いの指値で予約注文を入れておきます。
そして利確用に131円で売りの指値注文を、損切り用に129円にも売りの逆指値を入れたら、IFO注文の完成です。

最初の新規の注文がうまく嵌って約定した後、価格は予想通り上昇していきました。
そのまま狙い目の131円に達したら、そこで利確用の売り注文が刺さり、一連の取引が終了です。
一方、もし価格が131円に届かなかった場合、129円にまで下がって来たら損切り用の注文が刺さります。

いずれにしても最終的には、利確か損切りで決着し、その時点でもう片方の予約は削除されるということです。

新規のエントリー部分を除けば、後半はOCO注文と変わりません。
厳密な違いは、OCO注文ではその時点の価格を基準に指値と逆指値が決まりますが、IFO注文ではエントリー用に指定した価格が基準となることです。

IFO注文のメリット・デメリット

完成度の高いIFO注文ですが、常に最善の結果となるとは限りません。
他の方法と同じく注意点もあるので参考にしてください。

■注文のメリット①全注文を自動化できる

やはりなんといっても最大の魅力は、エントリーと決済にまつわる3つの注文が、全て1つの設定で完結できることでしょう。
チャートに貼り付く必要が完全になくなりますし、他の注文方法にあった問題点もほとんど解消されています。
特に時間が取りにくい人に取っては非常にメリットのある注文方法です。

■注文のデメリット①

OCO注文などと同じく、設定要素が多いので、初心者の人には難しく感じられることもあるでしょう。
いきなり使うのに抵抗がある場合は、特に指値と逆指値の使い方などはOCO注文など他の方法で慣れておくようにしてください。

■注文のデメリット②

決済については、価格が上がっても下がっても対応できますが、エントリーについては指値か逆指値のいずれかしか選べません。
エントリーでも異なる値動きに対応したい時は、複数のIFO注文を立ち上げ、価格が上がった場合と下がった場合に備える方法があります。

MT4/MT5でIFO注文のやり方

IFO注文は、IFD注文の方法と殆ど変わりません。

まず、新規エントリー用の予約については完全に同じとなるので、新規発注画面を呼び出し設定します。
異なる点は、上部の「決済逆指値(S/L)」と「決済指値(T/P)」の欄です。

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IFD注文では、どちらか1つのみを使いました。
しかしIFO注文では、2通りの決済を予約するため、双方にターゲットとなる価格を入力します。

つまり「決済逆指値(S/L)」と「決済指値(T/P)」の片方だけ使うのがIFD注文、両方を使うのがIFO注文ということです。
また、エントリー済みのポジションに両方を適用させると、OCO注文になります。

トレーリングストップ注文

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さて、最後にもう1つ、これまでとは毛色の違った注文方法をご紹介します。
それがトレーリングストップ注文で、決済価格が値動きに連動するのが特徴です。

トレーリングストップ注文とは?

トレーリングストップ注文は「トレール注文」とも呼ばれ、価格が保有中のポジションに対して有利に動いた時、逆指値の注文価格もそれに合わせて移動していくのです。
利確ポイントが価格に追従することで、固定で決めた決済価格に比べ、自動で取れる利幅が大きくなっていく可能性が高まります。

最終的に、追従して行った逆指値に実際の価格が触れた時点で利確決済がされますが、トレンドが長く続くほど有効に働く注文方法です。

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なお、1回移動した逆指値の注文価格は、そこから価格が不利な方向に動いても元の価格には戻りません。
戻ってしまうと、せっかく蓄えた含み益が減ってしまい、最後は無くなってしまいます。
そこは潔く、反転してきた価格を受け止め利確で終わるという方法です。

トレーリングストップ注文の例

トレール注文は、決済を担当する注文なので、エントリーについては成行や指値・逆指値で行っておく必要があります。
そして保有中のポジションに適用させる場合、「トレール幅」を決めなくてはなりません。

トレール幅は、価格に合わせて移動していく際の価格との差を決めるもので、pipsで指定します。
例えば1ドルが100円の時に立てた買ポジションに、トレール幅を50pipsで設定した場合を考えましょう。

初期の時点では、トレーリングストップ注文はまだ稼働をしていません。
そこから10pips分の価格が伸びた時、つまり100.1円になると、逆指値(執行基準価格とも言います)が100円のラインに出現します。

そこから価格が上昇し、100.2円になると、執行基準価格は100.1円に上がります。
その後も価格が100.3円、110.4円と上がると、執行基準価格も100.2円、110.3円と追従していくのです。
やがて上昇が止まって反転し、100.4円付近から110.3円に下落すると、そこで執行基準価格に触れて決済されます。

なお、最初から価格が伸びずいきなり下落した場合、残念ながらトレーリングストップ注文は機能しません。
そのため、トレーリングストップ注文とは別に、損切り設定も掛けておくと良いでしょう。

トレーリングストップ注文のメリット・デメリット

多くの人には馴染みの薄いであろうトレーリングストップ注文ですが、下記のような点に注意しましょう。

■注文のメリット①利幅を最大化してくれる

固定の利確設定の場合、価格が想定より有利に伸びると、後になって「利確をもっと先に伸ばせば良かった」という結果になってしまいます。
その点トレーリングストップ注文なら、価格が伸びる限り、どこまででも自動で追いかけて利幅を最大化してくれるのが最大のメリットです。

これを手動でやると、どうしてもすぐに決済してしまい、利幅を十分に伸ばせないことがあります。
逆に欲を出して追いかけすぎ、最後は元の価格近くに戻ってきてしまい、含み益が飛んでしまうこともあるでしょう。

機械的に執行基準価格がスライドしていくトレーリングストップ注文なら、拙速な決済や追いかけすぎの心配がありません。

■注文のデメリット①レンジ相場は苦手

価格の変化に追従する以上、得意とするのはトレンド相場です。
小さな範囲で価格が上下するレンジ相場になると、すぐに価格が反発して戻ってくるので、大きな効果を発揮できません。

■注文のデメリット②利益を逃すこともある

決済されるタイミングはスライドしていく執行基準価格に実際の価格が触れた時ですが、トレンド中では、一時的な逆行はよくあるものです。
その逆行によってポジションが決済された後、価格が再びトレンド方向に戻っていくと、その後の利益は得られなくなってしまいます。

後から見れば、そこは決済する場所ではなく、絶好の押し目買いのチャンスだったかもしれません。
またトレール幅が小さいとすぐに決済されますが、大きすぎると十分な利幅が取りにくくなるなど、pipsの設定も簡単ではない部分があります。

■注文のデメリット③常にログインしている必要がある

他の方法と抜本的に異なる点です。
トレーリングストップ注文を実行させるには、自分のパソコンを起動させておく必要があります。
他の注文はFX業者のサーバで機能しますが、トレーリングストップ注文は自分のパソコンの中の取引ツール上で処理されるのです。
そのためパソコンを閉じたり、取引ツールからログアウトしてしまうと、トレーリングストップ注文も落ちてしまいます。

現実的に常時稼働させるためには、VPSを借りてそこに取引ツールをインストールするのがベストです。

MT4/MT5でトレーリングストップ注文のやり方

トレーリングストップ注文は、保有中のポジションに適用させるので、ここでは決済部分のみ解説します。

まず、ターミナルウィンドウの「取引」タブから対象のポジションを選択してください。
そこから右クリックでメニューを出し、「トレーリングストップ」を選択します。

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ここで、設定したい値幅を決めるのですが、単位が「ポイント」になっているので、少し分かりにくいかもしれません。

ここでは1ポイントが0.1pipsに相当するので、例えば5pipsで指定したい場合は50ポイントです。
標準では、20ポイントから55ポイントまでが5ポイント刻みで並んでいますが、「カスタム」から任意の数値が設定できます。

トレーリングストップを設定すると、注文番号のアイコンの中に「T」の文字が表示されます。

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おすすめの注文方法

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最後に、ここまで紹介してきた注文方法がどのようなトレードスタイルに向いているかを説明します。
概ねの傾向ではありますが、普段のトレードに活かしてください。

  1. スキャルピングなど短期取引が多い場合
  2. スイングトレードなど中長期の取引が多い場合
  3. 夜間のトレードが多い場合

スキャルピングなど短期取引が多い場合

短期間に取引を完結させて小刻みに利益を積み上げるスタイルでは、リアルタイムの値動きの中でチャンスを見つけ、迅速にエントリーすることが欠かせません。
そのためエントリーはチャートに貼り付き、成行注文で行う方が良いでしょう。

一方、決済についてはある程度明確な見通しが必要となります。
リスクリワードを一定に保つ必要もあるので、OCO注文で利確と損切りをまとめて設定しておくのがおすすめです。
特にレンジ相場では反発点が読みやすいので、レジスタンスライン付近で利確するよう予約しておくと安心できます。

ただ急な値動きに対応するため、敢えて予約注文は逆指値の損切りのみに留め、利確も成行注文で行う手もあるでしょう。

スイングトレードなど中長期の取引が多い場合

数日以上の目線で取引する場合、目の前の細かい値動きに一喜一憂する必要性は低いと言えます。
それより、いかに優位性のある価格でエントリーし、大きく伸ばしていくかが重要です。

具体的にはトレンド相場が出現するのを待って、それに乗ることを考えます。
テクニカル分析などから目標となるエントリー価格を判断したら、そこに予約注文を入れておきましょう。

そしてトレンドの終端まで想定できる場合は、IFD注文やIFO注文で決済を見据えて予約をします。
そこまでは確信が持てない場合は、指値や逆指値でエントリーの予約注文だけしておき、利確や損切りはOCO注文で後から設定する方法もあります。
また、順調にトレンドが伸びたらトレーリングストップ注文に切り替え、自動化させても良いでしょう。

夜間のトレードが多い場合

本業があって昼間に取引ができない場合、夜間に集中して取引することになります。
しかし睡眠時間も必要ですから、取引にかけられる時間はどうしても少なくなるでしょう。

そのため、使える時間はチャート分析などに当て、実際の取引は自動化させておくと負担が軽くなります。
エントリーはもちろん決済についても、最適な利確ポイントは自分がチャートを見ていない時間に訪れる可能性が高いでしょう。

そうなると使いたいのは、やはりIFD注文やIFO注文です。
もしくは、チャートを見られる時間帯にチャンスがあれば、エントリーだけしておく方法もあります。
決済はOCO注文で指定するか、トレンドに乗れた場合は損切りのみ逆指値で指定しておき、利確は成行注文やトレーリングストップ注文で行うようにしても良いでしょう。

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